笛の音と琴の調べ

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狼殿下原作小説②/渤王,文衍の江南,夜煞隊,遥姫,アナザーエンディング

狼殿下はドラマオリジナル脚本で、小説は台湾書籍化もされている。

著者は陳玉珊編劇團隊湛藍
2020年4月17日発売とあり、ドラマの中国放送2020年11月19日だったので、先行発表されたのね。

ドラマ最終回を迎える前の土日に、渤王と馬摘星の甘々な場面目当てにネットで原作小説とおぼしきものをつまみ読み始めたところ、ドラマ脚本とはやや異なり、特に渤王はドラマの方が王大陸テイストも入るのか親しみやすい気がした。ややこしいのだが書籍化されたものは、ドラマ脚本の小説化ではあるらしい。ネット情報です。

このネット小説の作者は書籍本作者の一人である湛藍となっているので、湛藍版『狼殿下』という事なんだろうか? 『狼殿下』の着想自体はプロデューサーであるフランキー・チェンだったはず。それを膨らませたのが湛藍氏なのだろうか? この辺り検索してもいまひとつよく分からないが、読んでいて面白かったので紹介してみます。ドラマ話数はBS11放映分の全49話です。全部読んだあとだと、すべて書いてしまいそうなので、気になって読んだ部分だけです。

ネット原作小説とドラマの違い

最も大きな違いは、最後の結末であるがこれはのちほどで。

また、馬府を襲撃したのがドラマでは渤王のあずかり知らぬ所で夜煞隊に命が下されていたが、ネット小説では馬府を襲ったのは渤王の指揮下で(屋根上におり、直接手を下してはいない)、馬摘星を助けたのは銅鈴が聞こえて摘星と分かったからである。ドラマの渤王は馬府襲撃の命を知らず、小説では馬府を摘星の家とは知らなかった。なので渤王が罪悪感から苦悩する……というのが小説の方が自然な流れにはなっている。

小説渤王は獣毒(狼骨花とはまた異なる)に侵されており、凶悪な狼化する……という血生臭いものだったのが、ドラマではマイルドになっていた。

遥姫について

ドラマでは第34話あたり、遥姫が渤王を救うために義父を訪ねた場面は、小説が詳しかった。
 遥姫は玄蛇族人で蛇語がわかる。生まれながらに白髪で周りと違っていたために異端児扱いを受け、果ては4歳時には干ばつの為の生贄で火炙りとなるも雨が降って逃れ、その後一族はのちに義父となった老薬師以外は全滅という壮絶な人生を送っていた。想像していたのと違う方向の思い出したくない過去だな……。ちなみに白髪は染めているんだそうな。

親にさえ棄てられた遥姫には、渤王だけがこの世で生き続ける意味とあるのがもう……(涙)。義父からは救えるのは2度だけと言い渡され、「雪の中に白い椿の花がほころんだような、美しい微笑みを浮かべた」とあるのが素敵なのよ。

ドラマでは遥姫が薬をくれる時は小瓶であったが、小説では渤王の獣毒に対抗しうるのは遥姫の蛇毒で、遥姫が腕を切って蛇毒血を飲ませる……という結構妖しい方法になっていた。吸血鬼めいていて、なかなかなまめかしいのよ。そうやって助けてくれたことを渤汪が知ったのが、ドラマ第48話で三歩歩いて倒れたあたりである。

そのあと遥姫と馬摘星があいまみえた場面が小説でもあり、馬摘星に「傍にいてあげて」と言った後に、「他已不是我的渤王了/ もう私の渤王ではなくなった」と言うのがやるせないのだ。馬摘星には渤王は狼仔なんだけど、遥姫にとっては渤王はあくまで渤王なのよね。

ちなみに第40話、あの陛下を脅かそうと落としたも、宮中の書物を読んで実際に操ったとあった。

第一皇子楚有裕について

ドラマでよく分からなかったのが、なぜ楚馗は第一皇子である楚有裕を殺したかという事。これはドラマ第34話では楚有禎が太廟へ連れて行かれ真相を知ったと何やらオカルトチックに描かれていたが、原作では楚有禎は溍王から聞かされた、となっていた。小説はドラマの登場人物名ではなく、史実の名前がそのまんま用いられていますが、混乱するのでドラマ名で説明しています。

楚馗は功臣を惨殺し、楚有裕はそれを止めようとしたばかりか、遺族を遇するように言ったが、楚馗は耳を貸さず粛清した。楚有裕が仁義を語り、大臣たちが保身のために近づいていくようになると、楚馗は疑念を抱き、我が子を手にかけた。
という事らしい。

馬家軍が援軍を出さなかったのは、実際にそうだったような感じだった。

馬摘星と渤王について

ドラマ第47話で、馬摘星が渤王に緑芙の事を蒸し返していた場面も、我々は緑芙の姿を見ていないが、ネット小説では当時、緑芙は呼び出されて姿を現わしたものの、しっかり追い返されていた。
 それに続いて小説でも渤王は馬摘星にガオーと押し倒していたが、渤王はお酒が入り愛する人を目の当たりにして本能に逆らえなかったんだとか。

さて、当初の目的の第47話あたりの甘々場面で、狼の牙ペンダントに当たって「あら硬いものが」と言っていた馬摘星の場面。原作小説でもこれと同じ狼牙ペンダントの場面はあるのだが、その後に馬摘星は「妻になりたい」と続き、優しく美しい一夜であったと、さらっと描写されていたのだった。

ドラマで緑芙のことを蒸し返すのは二度目だったので、なぜに何回も言うんだろと思ったし、ドラマ第15話では急に渤王が摘星を襲ってどうしたと思ったものだが、これらを並べて見ると小説では結ばれる場面の対比を表わしたかったのかな?と思わないでもない。

一夜夫妻百日恩,百日夫妻似海深。

と小説にあり、なんとなくドラマでの渤王の「人が人の心をこんなにも動かせるとは、こんなにも強く、こんなにも深く」の言葉を思い出していた。
というワケで、小説では渤王との二度目の花嫁姿はない。

ネット原作小説での最後

第48話から突然、渤王を牢に入れ馬摘星が溯暘に乗り込む姿にあれれ?と思い始めたが、小説で楚有禎を助けに皇宮へ行くのは渤王で、駆けつけた摘星は弄狼弓を渤王のトドメを刺そうとする允王に放ち、允王を討ち取るのは疾冲なのだ。皆、ちゃんと活躍してますやん。

という事で、馬摘星と遥姫の友情も、摘星の謎なハイパー化も立ち回りのシーンも、ない。そして渤王の遺体は遥姫が引き取っていった。小説子神は允王が太卜宮を襲撃させた際に、遥姫に扮装して敵を引きつけ命を落とす……。

ドラマでは最後は出てこなかった敬楚楚も、ちゃんとドラマティックな見せ場があり、允王には敬楚楚が心の拠り所だったのです。小説では契丹公主を允王の王妃に迎えるという提案もなされていたようだ。

ネット原作小説のアナザーエンディング

馬摘星は狼仔が帰って来ると信じて狼狩山で過ごしている。疾冲が「帰って来ると信じてるのか?」と尋ねると、摘星はうなずき小指に結んだ赤い糸を見つめる。

疾冲は江湖の友人から耳にした、箕山で樵が二匹の狼を連れた男に会った話をし始める。箕山と言えば柏櫰大戦後に渤王が馬摘星を溍へ送り届けるために通った山。小説での箕山は雪山で、氷と火は相克し、氷は体内の獣毒を抑えることができるらしい。山河令を思い出す……。

ふたりで探しに行こうとすると、宝娜公主が追っかけて来るのを追日が知らせ、疾冲が慌てる場面が面白い。

箕山では狼に驚いて逃げだした人たちが雪崩から助かっており、箕山の切りたった頂上には冷たい風がひとりの人物の衣服をはためかせ、胸元には狼の牙ネックレス! 巨狼が彼に向かって遠ぼえをする。(完)
と終わるのだ。

なので最終話が大幅に変えられているのですね。
ドラマで遥姫が「馬摘星のお陰で助けられた」と話していたのは、遥姫や子神、莫霄や海蝶にはその通りなのだ。小説の方が自然と言えば自然なので、なぜに変更されたんでしょ。小説は物語のアイテムもちゃんと盛り込まれてますよね。ドラマはあくまで狼仔と星の物語にこだわったか。制作人とで意見が分かれたのか?

どちらが良いかは悩ましい

小説の方が最後に渤王の場面で終わるので、『狼殿下』というタイトルにふさわしいような気はする。そもそもドラマで狼殿下って言ってたの、疾冲だけなんよね。しかもあんまし尊敬してない感で言ってたという……。ドラマでももっと狼殿下呼びして、最後のモーゼな時でも「狼殿下は我らの命の恩人だぞ」になっても良かったと思うんだけど、なぜに呼ばれないんでしょ。

このネット小説はドラマ脚本のプロット的な位置づけのようにも思える。勝手に言ってます。

王大陸の渤王はもちろんドラマの役者さん達がとても魅力的だったので、小説を読みながら登場人物はドラマ版で脳内再生しており、それはそれで楽しい。

そんな中、ネット小説を読んで最もよかったと思ったのは、柏櫰大戦後の夜煞隊のことが書かれている場面で、これがなかなか良い情景だったのだ。というかこの場面を紹介したくてこの記事を書き始めたのである。小説展開だと彼らはいなくなってしまい辛くなるので、ドラマな展開でこれを見たかったなぁ。

夜煞隊と子神について

場面としては、ドラマ第40話で遥姫が夜煞隊を救うために、楚馗に生贄の祭祀を提案したあたりに続く。

柏櫰大戦後、夜煞隊の3人はそれぞれ独房に入れられ拷問を受けていたが、もちろん口を割るはずはない。

文衍が子神に連れて行かれ(遥姫に作戦を伝えられ治療を受けるためだが2人には知らされていない)、残った莫霄が海蝶に「江南を見たいと行っていたよね?」と壁越しに話しかけたところで、人が戻ってきた。

ここで戻って来た子神が、文衍は拷問で白状したと告げると、「夜煞隊になれなかったお前にできるワケがない」と鼻であしらわれているのだ。どうやら子神は夜煞隊になる体力気力はなかったが、遥姫に頭脳と見目の良さから側仕えに留め置かれ、それで恩義を感じていたらしい。


ここからがちょっとニッコリする場面なのである。

文衍が戻り子神が去ったあと、文衍は莫霄から壁越しに「もし一人が犠牲になるなら、自分を選んでくれ」「不治の病なんだ」と言われる。医師の文衍が問い返すと「心絞痛なんだ」と。そして「自分が死んだら海蝶の面倒を見てほしい、江南へ連れていって~郡主と同じ蝶の簪を~」となんたらかんたら話しだす。

すると今度は海蝶が反対側の壁越しに「犠牲になるなら私を選んで、不治の病なの」と言い始める。海蝶は「心絞痛で治す薬もない」と言い、さすがに文衍もその意味に気が付いた!

夜煞隊は私情を持ってはならず、もしそうなったら相手を殺して情を断ち罰を受けるというオソロシイ規定があるため、ふたりは「罰を受けるなら自分が!」と言うが、もちろんそうなるワケはなく、文衍は「大切にするんだな」と言い、壁の向こうにいる海蝶が笑うのだ。

苦中作楽,却是意外甜蜜。

とあり、そんな甘いひとときが彼らにあったのだとすると、ちょっと救われた思いになっていた。


まだまだ続く狼殿下!
次はプロデューサーインタビューから狼殿下を辿ります。

 

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外部サイト

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