6話 万蝶 君を拯いて/萬蝶拯君
拯(すく)いてというタイトルが風情がある。拯うとは、救う、救助の意味。水の中から溺れている人を救うという意もあるようだ。
(回想)
永安皇宮。2羽の雀がさえずっている。仮面姿の国師(謝憐)は居眠りしていた泰華殿下(郎千秋)に「道徳経」を10回清書するように言う。
天官賜福では読めない文字が多い中、殿下が読んでいた道徳教は中国語だった!
第三十一章は兵や軍隊についての用い方、第三十二章は「道」について、区別を付けすぎないこと、第三十三章は自分の在り方について述べられている。
老子『道徳教』
第三十二章
道常无名。朴虽小,天下莫能臣也。侯王若能守之,万物将自宾。天地相合,以降甘露,民莫之令而自均。始制有名,名亦既有,夫亦将知止,知止所以不殆。譬道之在天下,犹川谷之与江海。
第三十三章
知人者智,自知者明。胜人者有力,自胜者强。知足者富。强行者有志。不失其所者久。死而不亡者寿。
剣法を学びたがる若き太子殿下(郎千秋)に、国師(謝憐)は問いかける。
「目の前に飢えた2人がいて、食べ物のため殴り合っていたら3人目が仲裁に入った」
「理屈だけ並べても一粒の米も増えはしない。3人目は自分の食べ物を2人に与えるしかない」
「私のあの技も同じ」
「鞘から勢いよく出た剣には、その力を受け止める人や物が必要となる。3人目は自ら攻撃を受けて争いを止め、傷を負うことになる」。
太子殿下(郎千秋)は「最初から関わるべきじゃなかったかも」とも答える。
惨殺された光景の中、歩み出る国師が永安国王にとどめを刺す。それを目の当たりにする千秋。原作小説ではあった国師の台詞が、口を動かす描写に留まっているね。
(現在)
神武殿。事の経緯を帝君に伝えた太子殿下。仙楽宮は仙京一の立地に建っているのね。太子殿下は下界へ追放を願い出るが禁足処分に留まる。千秋はあくまで決闘をしたいものの、殿下は自分の方が勝ってしまうからと退ける。風師が殿下をかばってくれるのは心強い。裴茗将軍がネチネチ絡むのは小裴の事で殿下を恨んでいるのね。
半月は菩薺観の漬物壺の中……。
殿下を案じて心配そうな風信と慕情。
豪華な新居の仙楽宮は、かつての仙楽宮と同じ内装。炎の中に取り残された三郎を思い出す殿下。賽を振ると1の目がふたつ。
慕情が憎まれ口をたたきながらやって来て、薬を殿下に渡すとみるみる治る。
風信もやって来た~~~。殴り合うふたり、殿下を巡って過去の因縁があるようだ。
かつての慕情は穏やかで声を荒げず、風信も従順だった。
「成長すると手に負えない」と嘆く殿下はママみがある……。
銀の蝶がはためく。扉の向こうには血雨探花 三郎が!
通霊陣にも現れ、神官の皆さまにご挨拶……。
殿下が三郎に謝ると、三郎は殿下に負傷させた事を気に掛けており、湾刀厄命もぷるぷるしてるよ~。
(つづく)
対立する2人がいて、善意の3人目が関わることで事態がどうなってしまうのか。
回想の郎千秋がアニメだと益々純真だし、今も割とイイ奴ね。印象が少し違うのは、殿下と同等に戦うために自ら腕を傷つける原作場面がなかったからかな。
そしていつも喧嘩ばかりしている風信と慕情なので、殿下の語るかつてのふたりの像の方が違和感あるよ。
風師も殿下の味方だけれど、三郎が現れるとグンとアップする安心感よ。
小説『天官賜福』第2巻第十九章,第二十章,第二十一章あたり。
字幕版WOWOW放送:2023年12月6日24時30分
字幕版声優
郎千秋の護衛:易湫(イー・チウ)
外部サイト
|
▼蝶の概念アクセサリー
|