3話 極楽への誘い/攜君極樂
与君山(よくん)の包帯少年が、霊文(リンウェン)でも見つけられないのは鬼界に逃げ込んでいたからだった。
鬼たちに絡まれる太子殿下を、下弦月使(かげんげっし)が「道長、城主殿がお呼びです」と迎えに来る。案内する下弦月使の右手首には呪枷(じゅか)が。極楽坊へ辿り着く。
OP。
極楽坊で踊り子が踊っている。三郎(サンラン)が金箔の宮殿を建てているのを見た太子殿下は、幼い頃仙楽皇宮で遊んでいたのを思い出す。原作小説では「市井の子供が小石で遊ぶのと大して変わらない」とあり、皇宮や鬼王の豪奢さがうかがえる遊び方。
幼い太子殿下、カワイイ! 殿下が「散り散りになるのが忍びない」と言うと、母后は「崩れたら作り直せばいい」「父皇に糊をもらえば一生散り散りにならない」と諭している。殿下が幼い頃は離合集散に敏感であったと回想。
が、三郎はあっけなく壊してしまう。
極楽坊は歌舞楽坊であり、太子殿下が遊郭だと思っていたが、三郎は行ったこともないと返す。あくまで極楽坊は居所であって、家ではないと言っていたのは原作小説でも印象的だった部分。殿下に菩薺観(ぼせいかん)に出入りを歓迎すると言われて、三郎、嬉しくてたまらないんだろうな。
三界人はこの場所を「魔鬼が入り乱れる濁流地獄」と言うが、実際は変装した神官も訪れている。自分が長生きするか敵を早死にさせるかでは、後者を選ぶのが人の性……なのか。郎千秋は「私が動かなければ誰が動く」だが、三郎は真逆で「掌握する力」にこだわっていると見る太子殿下。
包帯少年が永安国出身と知って、太子殿下の様子が一変、白衣禍世(はくいかせい)を知っているかと気色ばむ。
目をパチクリとさせる三郎の刀。なにかに反応したようだ。
下弦月使のあとをつけ、部屋に入るにはサイコロの目が法術鎖(ほうじゅつさ)の鍵となっていると分かるが、6の目を2つ出すのは太子殿下には至難の業……。
三郎が席を外したのは、クズな青鬼威容(チーロン)が手下を放ってきたから。
三郎が案内したのは武器庫で、武器に目を輝かせる太子殿下。部屋ごと+掃除付で贈っちゃうスパダリ三郎。太子殿下が湾刀厄命(わんとうオーミン)の名を挙げると、先ほどの大きな一つ目がついた刀がそうであった。
太子殿下を見て厄命の目が輝くのがカワイイ。厄命がなでなでしてほしがるのを、三郎は駄目だと言うが、快諾する太子殿下……。前回のサイコロの目と同様、意味深よね。そしてアニメの厄命を見て、『東離劍遊紀2』の七殺天凌を思い出した。好きだったのよね、色合いが似てるのかな。
太子殿下は臨終前の小蛍(シャオイン)に託されたのでと、包帯少年に自分について修行を勧め、永安国の国姓は郎(ラン)なので郎蛍(ラン・イン)と名付ける。
食べ物にかじりつく郎蛍を見て、かつて同じように食べていた子どもを思い出す太子殿下。太子殿下が酒を飲むと、微笑みウィンクする女人は……風師の変装??
(つづく)
小説『天官賜福』第2巻第十六章,第十七章。太子殿下が幼い頃から完成したものを壊したくない性分であったのは、アニメで改めて認識した部分。割とさらりとした性分だと思っていたので、意外とそういう所に執着があったのか。
字幕版WOWOW放送:2023年11月1日24時30分
字幕版声優
郎蛍:木小柏(ムー・シャオバイ)『沈香の夢』丹蜀
謝憐の母:韓嘨(ハン・シャオ)《秋蝉》靳香、《黑色灯塔》乔诺
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