成化十四年キャスト&声優その5
・妓女 青歌:张柏嘉 『摩天楼のモンタージュ』李茉莉、《猎罪图鉴》何溶月/ 冯岚『君花海棠の紅にあらず』俞青、『大唐流流』李宝林、『燕雲台』李思、《择天记》药炉童子
・氷商人 金三娘:李元元 映画《天马行空》、李立群の娘 / 张凯『瓔珞』張女官、《扶摇》太渊长公主
・武器司 王憲:杨凯程《穿越火线》麒麟、《人间烟火花小厨》孟郁槐
・固安郡主:赵晓璐《焕脸》阿春、《新万家灯火》上官萌萌 / 贺文潇『陳情令』阿箐、『君花海棠の紅にあらず』古大犁、《雪中悍刀行》隋珠公主
・氷庫役人 孫達:胡瀟
・バルト:葛兴佳《祝卿好》陈仕郎、《群英会》宋三弟
36話
3年前の隋州は錦衣衛で一匹狼、薛陵も様子見している。ウユンプラガの前に現わるオイラト姿なアラスは、王子殿下と呼ばれている! 予定では丁満として潜り込むのはバルトという別人だった。
王憲が開発した爆弾(博浪)をぞんざいに扱う武器庫の者たち。そしてその内の一個が李子龍の元に流出していた。
唐泛たちは酒盛りをしている。ここで繰り出されたのは、李白が酒を詠んだ詩の数々。
1.醒むる時 ともに交歓し、酔うて後は各々分散す。
李白『月下独酌 其一』
醒时同交欢,醉后各分散。
永结无情游,相期邈云汉。
わたしが歌えば月も動く。わたしが舞えば影も乱れ踊る。
醒めている間はともに興じても、酔ってしまえばみなばらばらになる。
人を超えた友情をとわに結び、天漢のかなたでまた会おう。
川合康三『中国名詩選 中』2015 岩波書店
自分・自分の影・月の三者の交歓をうたったもの。唐泛・隋州・汪植にも思えるし、ドゥルラにも思えてくる。
2.我酔いて眠らんと欲す 卿且く去れ、明朝意あらば琴を抱いて来たれ。
李白『山中与幽人対酌』
两人对酌山花开,一杯一杯复一杯。
我醉欲眠卿且去,明朝有意抱琴来。
おれは酔っぱらって眠くなった。君はひとまず帰れ。
明日になってその気があれば、琴をかかえてやってこい。
川合康三『中国名詩選 中』2015 岩波書店
3.唐泛が詠む、人生何ぞ必ずしも……人生意を得ば須らく歓を尽くすべし、金樽して空しく月に対せしむる莫れ。
李白『将進酒』
人生得意须尽欢,莫使金樽空对月。
天生我材必有用,千金散尽还复来。
人生、思い満たされた時には、とことん喜ぼう。
金の酒樽をむなしく月のもとに置いてはならぬ。
川合康三『中国名詩選 中』2015 岩波書店
4.酔も郷も入っていないと言われ、
ただ主人をしてよく客を酔わしめば、知らず何れの処か 是れ他郷なるを。
李白『客中行』
兰陵美酒郁金香,玉碗盛来琥珀光。
但使主人能醉客,不知何处是他乡。
ただ主人が客を酔わせてくれればよいのだ。
いずこが異郷かわからなくなる。
3年前、爆弾が大爆発。皇宮にて甲冑姿で指揮を執る勇ましい万貴妃。BTSで見かけていたのはこの場面だったのか。
呆然としている唐泛と裴淮は出会い、唐泛はぶたれていた。食糧を奪い合う人達に唐泛は「心をひとつにして助け合わねばならぬ」と説く。
力を合わせる隋州と薛陵。配給している唐范と隋州が出会い、隋州は唐泛に水をわけてあげていた。
成化帝は臣下達に業を煮やし、汪植に西廠を設立するよう命じる。アラスは亡くなったバルトの代わりに宦官として潜り込む。唐泛も師兄の順天府尹の元で働き始める。ここで師兄と出会っていたのね。隋州の元には、あの借金取りが自首してきた。ここで流れる音楽がいいな。汪植も泥鰌達に食べ物を与えている。
そして現在の爆発場面に戻る。
李子龍はその威力を目の当たりにし、爆弾を手に入れようと意欲に燃える。唐泛が隋州に当たり散らすのはそれだけ隋州に心許しているのだろうが、毎回、結構観ているのがツラいのだが。
意外と早く現代に戻ってきたな。3年前の爆発事故はそれぞれの運命に影響をもたらしていた。ドゥルラ~~~。
BTSは造型篇Part3。ドゥルラは活発で豪放なので赤を基調とし、炎のような熱さを表現した。モンゴル風の刺繍を入れ素朴さを出し、小石・玉・貝殻などの自然の材質の飾りがあしらわれている。
冬児は質素なデザインで色彩もシンプル。唐泛の白・隋州の青・汪植の赤が映えるようにしたとの事。
皇帝の龍の透かし模様は制作1ヶ月、十二章も歴史に照らし合わしたもの。貴妃は金色を主役にし覇気を見せているという凝りよう。
37話
冬児は唐泛に汁物を渡そうとするが、唐泛は出て行ってしまい、ウユンプラガに会いに行っていた。ウユンプラガもツラいよね……。
夢の中の戦場で、隋州が起こした兵士の顔が唐泛で「疫病神め、お前は誰も救えやしない。どこにいても皆に災いをもたらす」と言う。うわ~隋州、大丈夫か。ワルイ顔した唐泛は貴重だが、隋州がツラすぎる。
裴淮は「心の傷というのは薬では治せぬ」と言う。
冬児のこの火を付ける道具はなんだろ? 隋州は食材を捨て、腹を満たせればいいと大根煉瓦【萝卜砖】を持ち出す。軍の保存食のようだ。明代、大根の皮を剥き鍋で蒸したあと冷まし、ペースト状にしてレンガ様に型どり干して乾かす。食す時はそれを鍋で煮て粥にして食べる。
「王憲は生まれつきの呆症で言葉を話せず、心気と腎気が不足し歯や髪が生えるのも遅い、一日中飲まず食わず話さず善悪も区別できない」「まれに珠算や工芸、音楽、絵画に長じた者が出る」と丁容は汪植に伝える。
裴淮の見立てでは、隋州にとって美食は唯一の気晴らし、食いしん坊の唐泛といるのが一番の治療になっていた。甲斐甲斐しく隋州のために料理を作る冬児ちゃん、健気だ~。
酒を飲み続ける唐泛。前回の3年前では科挙仲間と楽しい酒盛りしていたのにね。そこへ青歌がやって来て飲み始め、「慰める気はありません。楽しい時は多くを語らずとも分かち合えますが、悲しむ時は人それぞれ。そのつらさは計り知れませんもの」と言い、二人して酔っぱらっており、青歌にもそんなつらさがあったのかと思っていたら……李子龍に会った途端、普通に歩いており演技かぃ!上出来なのは、何を頼まれていたんだ。
丁容に担ぎ込まれ、汪植に水をかけられる唐泛。裴淮は宋代「閻氏小児方論」や「太平聖恵方」に治療法の記載があるが、「行動や思考方法が異なり双方の意思疎通に支障が出るだけで、愛情を持って接し触れ合う機会が増えれば支障は減る」と言う。「誰にも理解されないのは生きづらい」と言う唐泛。隋州がそうなっているんだよ~~~。
「閻氏小児方論」は北宋の小児科医阎孝忠の著作。「太平聖恵方」は北宋 第2代皇帝太宗 趙光義が編纂させた医学書。
王憲に銃を渡す唐泛。早速バラバラにし始める。
王憲の先祖は前朝で名を馳せた兵器職人で、洪武帝(明の開祖)は開国後兵器の開発を重視し一族を取り立て「兵匠王家」と称されるようになった。
唐泛は「六部五寺六科と都察院の記録簿が見たい」と言い、汪植は「お前が友でなければ罠かと疑うぞ」と返し、二人の信頼関係がよきよき。
BTSは造型篇Part4。馬林、尚明、李子龍は特に暗い色を用いて陰鬱な感じを出し、刺繍はそれぞれの性格を象徴。デザインから制作まで7ヶ月。創作は夢を現実にするプロセス、衣装合せで登場人物たちが図案から飛び出てきたようだったのは最大の醍醐味。興味深いBTSシリーズだった。
38話
汪植が記録簿を見るという事は、陛下が最も憎む先代の太監 王振、すなわち宦官の政治関与であると知る唐泛。王振は第6代皇帝 英宗に仕え専横し、親征を勧め土木の変を招く。
馬車の残骸からはどこの物か分からない鉄が出てきた。ドゥルラ……。
武庫司に忍び込んだ隋州達は、日付の入った書付けを見つける。
戊戌年11月29日:王憲がさらわれた日。
丁丑年2月17日:21年前。英宗が重祚して一月後。宗人府の機密文書で見た景泰帝崩御の日。
庚寅年2月21日:8年前。戸部の記録で見た兵部配属。
己丑年11月8日:郡主の成婚日。
冬児は日付を見ることを条件に、隋州に食べさせることに成功。健気じゃ。塀を飛び越えるアクションで人を使うのカッコイィな。
先々帝が退位したのは2歳の息子が夭折したあと世継ぎに恵まれなかったから。長公主は郡主になっていた。
章鞏柱があごを触るのは、王憲に「兵器の開発以外、何も知らぬ。全て章鞏柱の考えだ」とだけ言うようにというサイン。李子龍が固安郡主を訪れる。木鳶(もくえん:古代の飛行機)というのか。
冬児は隋州に肉まんに汁物をあげるが、はねつけられている。
BTSは美術篇Part1。張仲興。時代は明の中期で比較的栄えてた時代。準備期間は2ヶ月、全部で136シーン。150日間で169枚もの完成予想図を描いた。この絵をじっくり見たい位、気になる。都の通りは、明清宮苑の大柵欄を撮影地に選んだ。観意楼は色調を抑え主色を強調した。
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