風起洛陽1話～4話感想/二郎の華麗なるグルメ格付け,冷泉黒魚,瓊鍋糖,風山漸,婚礼

王一博主演のドラマ『風起洛陽～神都に翔ける蒼き炎～』が、2022年5月4日（水）20時よりWOWOWにて週2回放送で始まった。全39話。

当ブログではドラマに出てくる漢詩や中華料理を中心にまとめた記事が多く、この『風起洛陽』が意外や美食探偵モノだったので、その辺りをピックアップしてみた。グルメ探偵モノは『成化十四年』といい、最近流行りなのかな。奇しくも日本の某人気グルメの主人公は五郎さんだった。この二郎さんは海原雄山みたいだけど。

メインキャスト

・棺の中から高秉燭（黄軒/ ホアン・シュエン）登場。
・永川郡主の護衛な内衛月華君 武思月（宋茜/ ビクトリア）登場。
・工部員外郎 百里浩毅/二郎（王一博/ ワン・イーボー）登場！藍忘機の門での登場のようね。

『慶余年』と同じキャスト

・当陽酒店の生魚派さん（李子峰）：弓の九品で肉と西瓜を食す燕小乙
・二郎のお付きな百里家侍衛 申非（李燊）：ガンダムくんこと高達
・二郎パパな工部尚書 百里延（高曙光）：范閑パパな范建
・柳家七娘 柳然（宋轶）：范閑義妹で才女な范若若

第１話

１．冷泉黒魚の大豆汁しゃぶしゃぶ

【冷泉黑鱼】二郎評「上」。「生食をお勧めしない。天然の墨魚は血を抜き骨に沿い一気にさばく。薄く切り煮えたぎる汁にくぐらせれば新鮮で口当たりも滑らか。大豆は雑味を取り除くため大豆汁で辛みを洗い流せる。熱い汁で脂を落とせば味も引き立つ」。

黑鱼はスズキ目・タイワンドジョウ科の大型淡水魚カムルチー、雷魚とも呼ばれる。寄生虫も宿すので生食は避けた方が良さげだが、冷泉育ちだと異なるのかな？雲深不知処にも冷泉があったね。水温が低くなると冬眠状態になるとある。

２．白キクラゲの羹

【银耳羹】。五じいより。白キクラゲは『君花海棠の紅にあらず』の寧九郎で出てきたせいか上品なイメージ。

３．乳菓子店

二郎評「可」。淳化房。札「上品」「甚好」「尚可」が松竹梅か。豆腐花ぽく見えたが、乳菓子だから双皮奶（ミルクプリン）かな？

４．炙り肉

【遠興炙肉】興教坊。63番の整理券を貰う。

５．羊汁

【羊汤】陶記羊汁館。高秉燭は「青州の雄羊に鶴州の雌羊は格別」と言う。羊汁は『成化十四年』でも出てきた。青州は古代九州の1つで現在の山東省一帯。鶴州は古代行政区名で現在の湖南省懐化市一帯。

第２話

グルメがなく残念……。人物相関図から始まる。

武思月は女帝より芙蓉牡丹令を授けられる。聯昉（情報機関）、大理寺、各地の軍も従う令牌。武則天と牡丹と言えば、牡丹を焼き払ったという逸話で知られている。

聯昉公子楚はダーズベーダーな仮面さん。高秉燭が自首したのはおびき出すため。馬車内格闘がすさまじい。残された手戟の銅は黄銅で奩山でしか採掘できず、百里延が責任者。黄銅は銅に亜鉛が20％以上含まれ真鍮とも言う。奩山はドラマ設定の山のよう。

不良井は日も当らない場所で、賤籍で多くは罪臣の末裔が住む。この辺りはドラマ設定かな。

第３話

『百工要述』は墨家百代の絶技が記された書。揚州で手に入れた。墨家の創始者は墨子かな？

高秉燭の母は胡麻は煎ってから入れるようにと言い、瓊鍋糖（けいかとう）を作ろうとしている。陝西省富平県流曲鎮の特産で、800年の歴史があり明代より宮廷に献上されていた。粟や大麦麦芽、胡麻や砂糖などから作る。
この瓊鍋糖の逸話に、貧しいが志の高い孫丕揚と、適齢期を過ぎた醜女【丑女】が強引に縁談を取りつけ結婚し、なんだかんだとうまくいき孫丕揚も立身出世したという物語があるようだ。

不良井のアクションはアトラクションのようで、なんとなくUSJのショーを思い出した。布ですべり台もできてしまう。アクションが続いてグルメどころじゃないな。

＜聯昉の仕組み＞

・間風：行商人、店主、芸妓。
・神足：伝達者の意味。間風が得た情報を受け取る。六十四卦を名に用いる。面白いのが、ここで出てきたのは風山漸。第53卦【“渐：女归，吉，利贞”】で、女性が正しい順序で嫁ぐのは吉という卦。正しい順序だよ……ね？徐々に目標に進む卦のようだ。
・十二浮屑：神都の109坊を各自で9坊ずつ管轄。情報が全て集まり、本部へ鳩などで伝えられる。十二律を名とする。ここでは応鐘浮屑。十二律は中国音楽の標準楽音。
・万象殿内の十二善巧が整理を担当し適所へ報告。

百里家は河洛の名門だが、兄の寛仁は口が災いして頼りは二郎のようだ。河洛とは洛陽を中心とした黄河の「河」と洛河の「洛」の辺りを指す。

贼来须打,客来须看,报道姑嫂,出来相看
賊は追い払い、客を迎え、新婚の家族も花嫁を待ちわびる

は婚礼の口上かな。どう考えても叔父の柳襄はうさん臭いが……。

＜嫁入りの口上＞

新妇入門　迎亲
新婦の嫁入り、親迎

撒谷豆,避三煞
穀と豆を撒き、三邪を避ける

传席接袋,代代相传
袋で道を敷き、代々子孫を残す

じゅうたんを入れ替えながら新郎新婦が進み【行仪】。

一撒华阁兰堂　二撒家宅永昌
三撒咸享庆会　四撒子孙兴旺
五撒如花似锦　六撒夫妻富贵
七撒永远吉昌　八撒世代吉祥

一撒き豪勢な居を構え、二撒き家運は隆盛
三撒き財に恵まれ、四撒き子孫繁栄
五撒き前途は錦のごとく……
七撒きとこしえに幸あり、八撒き代々吉祥あらんことを

望镜展拜　夫妇一体　邪崇永离
鏡に向かい拝礼、夫婦一体となりて永久に邪崇と離れん

牵绳。引入青庐。

二郎と柳然の結婚に関するネタが面白かった回。