タイ航空の行きの機内映画では、台湾映画《Tales of Taipei》(2023)を視聴。台湾タイトルは《愛情城事》、日本語タイトルは『タイペイ、アイラブユー』。全115分。
舞台が台北だし、雰囲気が良さげだったので視聴開始。映画を見始めてから、オムニバス映画なのだと気付く。
あとで調べたら、10人の監督による10の物語とか。
出演者も多彩で、ちょっと不思議な感じのする映画。2023年金馬映画祭のクロージング上映作品だったのですね。
以下、ネタバレあります。
映画「愛情城事」感想

新聞が印刷されており、朝早くからバイクに乗った新聞配達が、新聞を慣れた手つきで配っている(と言うか新聞を飛ばしている)。映し出される台北の街並みに、旅した時を思い出す。漫画な場面もあるのね。
1.淡水伊人
張吉安監督(チョン・キット・アン/マレーシア)。
女性が着替えており花嫁衣装。軽トラのポールダンスがなんだろう。かつてマレーシアからお嫁入りした女性(李心潔/マレーシア)とダンサー(郭書瑤)が、紙で折った船を海辺で送り出している、女性の夫は亡くなったのかな。
郭書瑤って『狼殿下』の宝娜公主か!この軽トラは電子花車と言い、いわゆるデコトラでセクシーなお姉さんが踊るそう。お祝い事だけでなく、葬儀でも催されることがあるのだとか。
劇中流れたのはインドネシア民謡《Dayung Sampan》で、テレサ・テン《甜蜜蜜》のインドネシア版。
2.第一劑疫苗
黃綺琳監督(ノリス・ウォン/香港)『私のプリンス・エドワード』。
コビッドワクチンのお話。息子の彼女(鄧麗欣/香港)は香港出身で、彼氏の父親(蔡振南)のワクチン接種に付き添っている。接種後は15分様子見というのが、当たり前なんだけど世界共通だ~と、接種当時を思い出していた。随分と前のことのようなヘンな気分。
グァバプラムパウダーってなんだろと思ったら、グァバに梅粉をかけるという事なのかな。微妙な距離感のふたりが家で映画を見ることになり、映画《セキュリティー アンリミテッド』は『新Mr.Boo アヒルの警備保障』だ!
彼女は父親を、彼氏父は妻を亡くしている。彼氏父が息子彼女にまた映画を見ようと声をかけているのがじんわり来る。
3.我是一隻蛇
許承傑監督(台湾)。
ボートが走ってるのは台北圓山飯店沿いの川だ。ハッピードラゴンボートフェスな季節は、端午節(旧暦5月5日)か。
香港から来て2年で離婚の危機な夫婦たちが、映像で溶けるのがこわい。男性(劉冠廷)『一秒先の彼女』はなに? 狼人間同士なの?と思ったら、女性(鄭秀文 サミー・チェン/香港)は白蛇なのね。法海(黃宣)もいたようで、白蛇伝を取り入れていたのか。
4.讓我作你寶貝
劉權慧監督(台湾)。
高速道路を走るバイクは白バイで、ポールダンサーに警官。コロナでラッパーからデリバリーとなった男性(婁峻碩)と、DJから檳榔西施となった女性(吳卓源)。クリスマスに招待され盛りあがる。檳榔西施は噛みタバコである檳榔を、露出度の高い姿で売る女性のこと。
5.花開富貴
哈希德阿米監督(ラシド・ハミ/アルジェリア)『オーケストラ・クラス』。
花売り高齢男性(林鉅)と女生徒(方郁婷)『アメリカから来た少女』……は祖父と孫だった。チャンパカは祖母の好きな花で、モクレンな玉蘭花。元々、生前の祖母(花売り男性の妻)が売っていて、香りは揉め事を解消してくれると話しているのがチャーミング。
6.好命人
殷振豪監督(台湾)。
バスが止まり男性(鄭中基/ロナルド・チェン香港)に、ロトの指南をする男性(張震)『運命の桃花』。当選したら北海道のファームを買いたいと話している。そんなに人気なの? 男性ふたりは意気投合し連絡先を交換してイイ感じになるが、ロト男性は妻がいると言って去る。しかしチャン・チェンって分からんかったわ……。
7.不存在的孩子
巴沃邱寧多傑監督(パオ・チョニン・ドルジ/ブータン)『ブータン 山の教室』。
方郁婷のママ(張榕容)は身籠もったけど育てられないと、男性(卡里姆·萊克盧 カリム・レクルー/フランス)に告げている。方郁婷が先ほどの花売り女生徒役だったから、話が続いているのかと思ったけれどそうではないみたい。
新聞配達はパネルを拾って持ち帰る。
8.醉好事
黃婕妤監督(台湾)。
警官(朱軒洋 ベラント・チュウ)と女性(9m88)が出会い、女性がとある男性について語っている。あれ?ポールバーで吠えてるの、この警察官? あの男性ってこの警察官のことだったの!?
9.病源
李心潔監督(マレーシア)は『淡水伊人』でも出演していた女優さん。
女性(林嘉欣 カリーナ・ラム)と男性(阮經天)が情欲に絡み合っているが、劇中劇なのかな。現代舞踊も混ざり合い、カットの声がかかる。
10.送報員
謝沛如監督(台湾)。パネルと花売りさん。
新聞配達屋さん(伍佰 ウーバイ)がビルに立ち入り、台北にグッドバイ。「今日台北」新聞配達最後の日で、ビルも解体が迫っている。
新聞配達屋さんが解体するビルから新聞紙をばらまき、それを見た少女は「涙のようだ」と評している。
(終)
花売りの話が印象的。コロナワクチン接種に当時を思い出したし、ロトなふたりも気になった。
台湾の風習が出てくるのも興味深く、新聞配達屋さんが最初と最後に出てきて風情があったな。
タイ航空の機内映画
他にも中国映画は
黄渤主演《Across The Furious Sea / 涉过愤怒的海》
小沈阳・秦海璐主演《全員嫌疑人》
《Super Wang Wang / 超级望望》
ジェッキー・チェンの『ライド・オン》
《A Long Shot / 老槍》
《The Ex-Files 4: Marriage Plan / 前任4:英年早婚》など。
香港映画は
《My Best Bet / 祥賭必贏》
《熱血燃焼》
《Blossoms Under Somewhere / 寄了一整個春天》
《Once In A Blue Moon / 望月》
《Echoes Of The Thunder / 速戰》などがありました。
タイ航空の機内サービスは英語が主体。
言語を中国語にすれば、タイトルや出演者が簡体字になるかと思いきや、説明が中国語になるだけで、他は英語のまま……。中国映画のタイトルや俳優名は漢字の方がパッと理解しやすいんだけどなぁ。
帰国便の視聴はコチラ⇩
外部リンク
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