笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「君花海棠の紅にあらず」とアニメ「天官賜福」、漢詩で「山河令」もはじめました。

映画「ジェイド・ダイナスティ破壊王降臨/誅仙」感想/肖戦/原作小説・ドラマ

映画「ジェイド・ダイナスティ

シャオ・ジャン(肖戦)主演の、「ジェイド・ダイナスティ 破壊王降臨/Jade DynastyⅠ」がWOWOWで放送されました。

この映画は昨夏、「陳情令」放送後に日本公開となったので気になっていたもの。なんとなくもれ伝わる評判も聞いた上で観てみたが……なるほど、開始早々ジャン出演でなければ見続けたか微妙な感はある……。

いきなり御剣で飛んでおり、肖戦と女性が抱き合い、でもそれは夢オチで、肖戦こと張小凡は炊事しており、せっかく作った料理をわちゃわちゃ弟子がムダにしている……。このようなコメディというかギャグ路線が延々と続くのである。

そしてジャンの吹替声も阿傑ではなく、リン・フェイ(凌飛)なのが少し違和感。「狼殿下」でもジャンの吹替担当らしい。……と思っていたら「陳情令」の藍曦臣役の声優さんだった!

 

青雲門の師匠たち

武術界の正義の門派・青雲門七派の師匠が勢揃い。往年の香港映画のスターが集結しているとか。
通天峰 道玄真人(デビッド・チャン/姜大衛)
風回峰 曾叔常(レオン・カーヤン/梁家仁)
龍首峰 蒼松道人(ノーマン・チュー/徐少強)
大竹峰 田不易(チウ・シンジー/邱心志)濃紺、緑
小竹峰 水月大師(セシリア・イップ/叶童)
落霞峰 天雲道人(チャン・リーウェイ/陳立唯)
朝陽峰 商正梁(パオ・シャオソン/包小松)

各峰の弟子たちが集まってきた時はワクワクしたが、それは単なる美女・陸雪琪(リ・チン/李沁)ののぞき見であったという……。かゆみ虫の描写がリアルで、どうにもムズムズする。

ドラマならばいつもの仙侠ドラマな展開で十分楽しめるが、映画だと話がブツブツ切れてしまい、感情移入できないまま登場人物だけ増えていき、なにか物語に乗れない思いが強い。仙侠モノはドラマ向きで、映画で成功するのは難しい気もしてきた。

 

シャオ・ジャンな張小凡と仲間たち

肖戦演じる張小凡はひたすらにイイ奴だけど、功力はいまひとつ。かつて両親ともども村を何者かに襲撃され、青雲門派の田不易に拾われ皆にも愛され師姉・田霊児(タン・イーシン/唐芸昕)を慕っている。恋の相談相手は、なぜか神獣の龍・霊尊

いつのまにか幼い頃に弟子入りしていた普智の噬血珠(せいけつしゅ)により、あれよあれよと鬼のこん棒ならぬ、魔教の神器・摂魂棒(せっこん)を手に入れる。

ジャンが持っていると随便を連想させ、健気なこん棒に見えてくる。おまけにジャンに犬が近づくと、逃げださないかと思ってしまう当方はいまだに陳情令脳。お陰でウサギの〇焼きに軽いショックを受ける……。猿まで現われ、桃太郎になるのかと思ったがキジはあらわれず。

女性がひらひら舞う場面は優雅で美しい。
慕っている師姉が龍首峰の一番弟子と仲良さげで、こん棒を狙う碧瑶(ミギ,モン・メイチ/孟美岐)に黙らされている場面で、この主人公はこれからいろんな女性にモテるんだろうなと思ったら、案の定そうなった。

叱るようでいてこっそり功力を送る師匠やそれをお見通しな師匠妻、勝ち残る小凡を応援する弟子たちとの関係がよき。

この映画を観ていてフワフワする感じは、いまひとつ小凡の親友的存在が伝わってこない事も大きいと思うのだが、武術大会で小凡をやる気なく応援していた赤組くんの風回峰・曾書書(ダイ・シュー/代旭)は味があった。

 

魔教軍団あらわる

武術大会が終わり全体の3/4になったあたりで、突然今までのギャグから幻術遣いな魔教が暗躍し始め一変する。鬼王が地中から馬車ごとあらわれる場面は、冥王みがあって良かった。
四大高手である、くぐつ遣いな人偶、イノシシな猪妖、マスクな面具青龍(回転切断機?)も、ホラーめいておどろおどろしいが面白い造型である。一番不気味だったのは面具の五人羽織みたいなの、気色ワルぃ~~。武術大会よりも、こちらの四大高手の方が強烈に印象に残った。監督さんもこういう方が得意なのかな。

ここからは物語ラストのネタバレとなります。
ネタバレを知りたくない人は 次へジャンプ

 

YouTube「問少年」肖戦 (2:15)

 

摂魂棒を狙っていた碧瑶は、鬼王の娘であった。鬼王を撃退しようと力を合わせる7人師匠たちの言葉は、小凡の村を襲った言葉と同じで衝撃を受ける小凡。小凡は3つの神力をもつようになる。

鬼王は去り、六人の師匠たちは小凡を殺そうとする。怒りにかられ反撃する小凡。ここからあれよあれよと登場人物たちが人をかばって亡くなり、我にかえる小凡。このあたり原作通りなんだろうか? 小凡の師匠はヨイ人だった……。そして碧瑶を抱きかかえ、碧瑶のかつての望み通り「誰にも見つからない所へ行くと約束した」と去って行く。

 
YouTube「情意結」周深(2:50)


テレビでこの映画を観たので、仙侠ドラマらしい話だったなぁと最後はしんみりしたが、これを映画館で観ていたらどうだったのだろうか。ジャンファンならば大画面は嬉しいだろうが。
前半のギャグテイストが好みかどうかも大きい気がする。後半の魔教的なのをもう少し長くしても良かったような。

日本版ポスターが特撮映画ぽぃ(ジャンと女性陣、など)が、映画を観た印象とは合っていない。もっとパステル調なぼんやりとした色調のイメージだった。
中国版ポスターはジャンと女性陣・取り巻く師匠たち、だったので、往年の香港スターファンも狙ったのかな。下にAmazonリンクしたDVDパッケージが日本版、ポストカードが中国版です。

撮影時期は2018年秋冬くらいなので、陳情令の撮影後になるのですね。
主題歌「問少年」はジャンが、エンディングの「情意結」は周深がしっとりと歌っている。

この映画は、原作小説のどのあたりまでの話だったのだろうか。中国語タイトルは「誅仙1」となっているので続編もあるのかな。元々の原作が面白そうなので、2作目がジャン主演だったら観たいな、とは思う。

WOWOWでは2021年7月31日までオンデマンド、2021年4月7日(水)に再放送予定。

 

 

ドラマ『誅仙青雲志』

ドラマ向きの物語と思っていたら、2016年に『誅仙青雲志』で、そうそうたるメンバーでドラマ放映されていたそうな。

リー・イーフォン(李易峰):張小凡
チャオ・リーイン(趙麗穎):こん棒を狙った碧瑶
ヤン・ズー(楊紫):女性で強い陸雪琪
チェン・イー(成毅):幼なじみで優秀な林驚羽
タン・イーシン(唐芸昕):師姉の田霊児、映画と同じ
ワン・ユエン(王源):少年・張小凡
ワン・ジュンガイ(王俊凱):少年・林驚羽
イー・ヤンチェンシー(易烊千玺):少年・小七。

ちなみにドラマ張小凡の声優は張傑だそう。趙麗穎がてっきりクールビューティーな陸雪琪かと思いきや、碧瑶の方だったのか。楊紫が陸雪琪というのも少し意外。

原作小説『誅仙』とゲーム

原作はWeb小説 萧鼎(しょうてい)の『誅仙』で、2003年から2007年まで連載されていた。大人気でゲームにもなったらしい。百度によると、小説の主題は「天地不仁,以万物為芻狗」と、『道徳経 第五章』の言葉で「天地は仁にあらず、万物をもって祭祀用のわらで作った犬となる(使い捨ての意味)」とある。

 

映画スタッフ

監督:チン・シウトン(程小東)
脚本:シェン・ジエ(申捷)ソン・チャオユン(宋朝雲)
上映時間:101分
公開:2019年9月13日(中国)、2020年7月24日(日本)

 

 

 

外部サイト

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