久しぶりに海外へと旅してきました。
毎年細々と海外旅行へ行くのを楽しみにしていたのが、ここ数年は新型ウィルスで行けず。その間、どっぷり浸かっていたのが陳情令を始めとした中国ドラマとブログでした。コロナ下でのパスポート更新申請は、待ち時間なしのスルーで今までで最速の更新でしたね。
そして世の中はなんとか再び海外へと行けるご時世へとなり早速飛び立つ。
中国への旅もいつか実現できるといいな。
久々すぎてなんだか旅行前はいつになく緊張してソワソワ。
旅のお供のおやつにと、羽田空港のコンビニでUFA味覚糖のコロログレープ味を見かけてお買いあげ。イボ(王一博)のおやつで一時SNSで話題になっていて、ついつられてしまった。
夏休みの時期ではない事もあるだろうけれど、ルフトハンザの機内もほぼ外国人だらけで、おまけに紛争のために飛行機往路は北極圏上を飛ぶために、以前よりも飛行時間が長い。人間、寝るのが一番時間を感じずに済むので寝ていたけれど、昼便なのでそれも限界があり、時間潰しにと機内映画を物色。
結局、往復便で見た映画はどれも中国映画でした。
毎日、毎日、中国ドラマを見ているせいでしょうか。旅先でも中国映画を見るとなんだかホッとする脳になったような。。。
機内映画で『四海』見る
どんな映画が入っているか分からないので、Aからタイトル順でスクロールさせていくと、復路では映画『四海』(2022)にて、尹正(イン・ジョン)くんを発見。英語タイトルは『Only Fools Rush In』なので、アルファベット順では中盤辺りにあった。
ちなみに復路帰国便はトランジットでスイス発だったので、モーベンピックのアイスが出て来たのが嬉しい。味はストロベリー。
主役は『慶余年』でもお馴染み劉昊然(リウ・ハオラン)。刘昊然が主役ならばなんとなく安心感があり、これは良さげと見始める。
劉昊然演じる呉仁燿は、バイクをこよなく愛する孤独な青年。ハオランくんは茶髪ショートヘア。寡黙で愛車とたわむれる姿は、なんとなく『頭文字D』っぽぃ雰囲気と重なる。祖母の介護をしているヤングケアラーでもあり、介護風景は今回見た中国映画で割とよく見かけており、高齢化の波か。
尹正くんの周歓歌と知り合い仲間も増え、心惹かれた可愛い女の子周歓頌(劉浩存 リウ・ハオツン)とも距離を縮め、これはバイク勝負で成功する物語なのか?とワクワク。尹正くんも尹正節炸裂してイイ味だしてます。
そして黄暁明(ホアン・シャオミン)なShowta哥も出た~~~!
ちょっと胡散臭い羽振りの良い金持ちを演じさせると天下一品ね。褒めてます。葉巻が憎らしいほど似合っている。イキり散らかした黄暁明に満面の笑みで近付く尹正は、二旦那と商老板@君花海棠の紅にあらずにしか見えないよ。機内でテンション上がった上がった。
四海の出演バイク
さて、物語のネタばれ含む感想に入る前に、ここで映画に出てきたバイクを紹介。
バイク映画という事で、尹正と仲良しなイボが、微博で『四海』について触れた事もあったようだ。
日本のバイクが頑張っていますよ。名称が中国語名になるのも興味深い。
主人公のはヤマハSR400(雅马哈)。赤いタンクに燿と名前が入っている愛車。
ヒロインが乗るバイクはホンダスーパーカブ(本田 幼兽)。中国語名がカワイイ。
尹正くんのはカッコイィBMW R NINE T(宝马 拿铁)。BMW S1000RRは。。。
車手秋哥(陳小春/ジョーダン・チャン)の黄色いのはキムコRacing S150(光阳 弯道情人)。
動兎(周奇)のはホンダEZ-9。
高华阳の緑色はカワサキNinja400(川崎)。
李警官(ウィリアム・フォン)はベネリ1200GT(贝纳利黄巡警用版)。なんで警察車両がイタリアメーカーなんだと思ったら、中国の銭江傘下になっていた。。。
ふとこの映画がLH機内で公開されているのは、もしやバイクがBMWのドイツ繋がり?なんて想像したり。
四海の漢詩
尹正くんな周歓歌が挨拶をする場面で、漢詩を引用していたのでコチラもご紹介。仁燿パパが同時通訳をするシーンで、英語あるあるで笑っちゃうのです。
杜甫(唐代)『客至』
舍南舍北皆春水,但见群鸥日日来。
花径不曾缘客扫,蓬门今始为君开。
盘飧市远无兼味,樽酒家贫只旧醅。
肯与邻翁相对饮,隔篱呼取尽余杯。
映画『四海』感想レビュー
ネタばれもあります。
さて、爽やかな青春映画かと暢気に見ていると、お酒を飲んでの海水浴にイヤな予感しかしない。そしてナント大きな船にのまれて、尹正くんな周歓歌はお陀仏に~。
ここで海に飛び込む場面、尹正くんは丸まって、刘昊然は綺麗にスラリと飛び込んでいたのが印象的で、これはさすがにスタントなのか、本人なのか不明なのだけれど、役のキャラが感じられて良かったシルエット。
そこから話は急転直下。妹の周歓頌は亡くなった兄の借金取りに追われ、呉仁燿とふたりでバイクに乗り、目指すは広州の大都会。
ここで映る風景が美しかった。島でのロケ地は広東省沿岸にある南澳島、南澳环岛公路や赤い灯台など。呉仁燿たちが本土へ行くのに渡った南澳大橋は全長11km。風のない日に走りたい~。バイクにふたり乗る姿は、『羅小黒戦記』も思い出す。ちなみに南澳島から広州塔までは高速で5時間ちょっと、高速使わずだとその倍以上位のようだ。
広州への道行きで、ホテルに泊まろうとするもカードキーの使い方が分からず入れない辺り、ちょっと知っていればなんてない事も、知らないと開かない理不尽さやもどかしさとか、うまいなぁと思う。
ここで語られる周歓頌の夢は、一緒に夢見ちゃったよ。日本語で見ていない分、一層イメージが膨らんだ場面。
都会の壁はぶ厚くて。ふらふらしていた呉仁燿の父親呉仁騰(沈騰)は、別所帯を持っていた。この場面、周歓頌がもしや?という演出になっていたよね。沈騰もイイ味を出しており、ウルトラマンも効いていたし、呉仁燿のタケコプターみたいなのも可愛かった。
最後、周歓頌は呉仁燿のバイクに乗って会いに行き、
呉仁燿は難易度の高いスタントになるも……。
そんな終わりかぃ、という暗~~い気持ちになって終わった映画。
どうやらこの監督である韓寒の持ち味らしいが、成功して周歓頌の夢を叶えるじゃあかんのかいと思ったほろ苦い映画。
韓寒映画の第4部映画らしく、今までに
『いつかまた/后会无期 2014』
『乗風破浪/乘风破浪 2017』
『ペガサス/飞驰人生 2019』
が公開されている。
空気感は良いし、かいま見える世界観は好ましいが、現実の厳しさにぃ~負けたぁぁ~感が強く、なんだかうまく消化できない。夢オチに似て、なんだか安易に思えてしまうのだ。
この映画は当初、話題にはなったものの、あまり興行成績は伸びなかったとも聞くが、あの結末はそうだろうなぁと言う思い。春節に公開されたのも大きかったと聞くと、ドラマ『赤い袖先』の最終回と同じような気持ちになったワタシ。。。
悲劇的な最期はハマるとドラマティックになるけれど、この作品に関してはそりゃないだろと思っちゃいました。都市戸籍や農民戸籍の背景とかもあるのかな。あの雑技団の梓良哥(喬杉)には、病気の家族もいるけど大丈夫なんだろか?保険入ってる?などと要らぬ心配までしてしまう。
バイク小説と言えば、片岡義男も切ないクールな物語ではあった。島とバイクって相性イイよね。
尹正くんは実は生きていて、出てくるんじゃないかなんて思っていた私は甘かった。
助けてくれるかと思った黄暁明なShowta哥が実は……という演出は面白かった。広州タワーが気になるし、あの観覧者も楽しそう~。
馮紹峰も警察官で出演してますよ。『明蘭』の顧廷燁よりも警官姿のせいか若返って見えるような。
最後以外は良かった映画。『ペガサス』は以前に放送されていたし、WOWOWで韓寒の四部作を放送してほしいなぁ。機内映画の小さな画面とはまた違った風に感じられるかも。
▼出演者が歌いつないでいて、映画の場面も紹介されており良きMV。
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