中国ドラマ『光・淵』がWOWOWにて2025年3月7日より毎金2話放送で始まった。『致命遊戯』の後継番組。全30話。
原作は『山河令』『鎮魂』でお馴染みなPriestのBL小説『黙読』。
『陳情令』プロデューサーである楊夏作品で、2023年に第8話放送したところでお蔵入りとなったドラマが、日本上陸したものだから驚かれていた。
SF近未来の設定に大丈夫かなぁと見始めたが、零度共感者=サイコパスと思えば、それ以外は刑事ドラマなジャンル。そもそも原作小説がSF近未来ではなく刑事モノであるようだ。
第1話で麗しい眼鏡の裴溯が指でコイン回ししているのが魅惑的。『鎮魂』で言えば朱一龍みたいな俳優さんを見付けてきたなぁなどと思っていると、EDクレジットで「張新成」とあって、ええええ、名作ドラマ『家族の名において』の二兄な賀子秋~?こんなにお耽美になって……俳優さんってスゴい。俄然、興味が湧いてしまった。
刑事さんの駱為昭が『鎮魂』の白宇の役どころかな。
となると、裴遡が攻で、駱為昭が受かと思いきや、原作小説の見出しを見ると「眼鏡受」って書いてある。え?『鎮魂』とは反対?
そういえば原作小説のキービジュアル 左側は刑事さんだけど、ドラマの左は張新成。ま、BLじゃなくてブロマンスですからね。
原作小説の1話は無料公開されていて、冒頭の「真実・おそるべき真実」はスタンダールの『赤と黒』。どうやら各章は古典小説が用いられていて、わぉ、こういうの好き好き。
ということは誰かが『赤と黒』のジュリアンな感じなの?
1話メモ
裴遡が駆け寄ったのが陶沢で、あれ?こっちが男主?と思ったが、駱為昭の方よね。
「啓明閲読」の名著鑑賞。
「事新しさの濃厚すぎた香りは、衰えた彼らには耐え難い。歳月をかけて薄める必要がある。芸術品も時を重ねてようやく誰かに理解されるのだ」。語り部は粛清者。
『You Raise Me Up』の曲も何度もかかるよ。私には荒川静香さんを思い出すけれど。
2話メモ
7年前、裴遡は母親の首つり自殺を発見。父親が零度共感者で殺したと主張するが、証拠が見つからない。駱為昭は「起きたことには痕跡が残る」と主張。「自殺したくなったら人は何らかの方法で家族に告白する」とも。
駱為昭は情熱的で束縛を嫌い、若き総裁な裴遡は繊細で周到で冷淡で距離を置く、一緒にいればいざこざと苛立ちが際限なく続く。
裴遡の父親は3年前の事故で植物状態。
3話感想
裴溯母と父の関係はどうやら歪んだ感じの回想。
白い花束がお似合いな裴溯、病床で意識不明な裴溯父にオラついてるよ。
駱為昭の前に現れた陳震……誰だっけ? 姉が薬物過剰摂取で亡くなっている。
張東瀾の釈放場面で、ゲームに興じる裴溯。パタポンだ、ソニー・インタラクティブエンタテイメントのゲームだし。音声が「パタパタパタポン」なのでゲーム攻略は「すすめ!」ですね。張東瀾は白浪@風起洛陽、電気屋さん@熱烈じゃないの。
周鴻川 弁護士さん、タバコで選んだ1本を逆さにして最後自分で吸うと願いが叶う験担ぎ、むむむ。
なぜか陶沢はお見合いするんですと。車を貸そうと車のキーの差し出し方が、裴溯は指にはさんで、駱為昭が無造作とちょっと変えてるのが性格表わしててイイね。
食不厭精、膾不厭細(食は精なるを厭わず)の中、超偏食な裴溯が手を付けずにいると、黄色い甘いのをくれるし、海老の殻は剥いてくれるしな駱為昭。孔子『論語 第十 郷党篇 八』の一節。
かつての駱為昭が作ってくれたのは麺で、「ひとりラーメン」って日本語で書いてあるし。電話がかかると飛び出していく駱為昭に、裴溯は「相変わらずだ」と。
鴻福不動産のナイトクラブに駱為昭は単身で潜入、陳震は亡くなってしまっていた。駱為昭があの高さから落ちて、赤いサイコロ袋で助かるとは超人だ。ピンチな時にドリフトかまして現れる裴溯がカッコイィ~。
4話感想
カーアクション中でも、裴溯は血を見ると途端にHPも瀕死ステイタスになるという……。そんな忙しい中、裴溯と駱為昭の頭ごっつんこも微笑ましいね。
バイクが裴溯たちの車に突っ込んでいく時にわざわざウィリーするんかぃと思っていたら、ようやくパトカーが到着したよ。
駱為昭にお礼を言われて、OKマークで答える裴溯。
何宗一の母親は裴遡に「私たち母親はね、自分に大した力がなければ、心の支えになるのは我が子だけよ」と語る。
何宗一の映像で、タバコを出して吸わずに戻していたことに気付く。あの弁護士さんの願掛けだ!
裴溯は犯人について「心を推し量れる相手じゃない、大胆さも極まれば強迫症だ」と。
東区の新州国際電子博覧会。飛び降りて自殺しようとする何宗一の母親の前の大型ビジョンをジャックした裴遡~~~。
裴溯の母親は花を飾り好物を作り布団を干して帰りを待っていた。「犯人が捕まったら宗一を家に連れて帰って」と何宗一の母親に語りかける裴溯。
壊れた柵に捕まる何宗一の母親~、なんとか駱為昭に助けられたよ。
ベンチに両手広げて座ってる裴溯、駱為昭からの着信メロディは「You Raise Me Up」なのね。駱為昭が裴遡に謝っている。裴遡は「世に映るのは華やかな部分だけ、闇にどんな怪物が潜んでいるか」。
駱為昭が裴遡に倒れ込む。血を見るとダメな裴溯は「瀕死のおじさんを拾った」と電話してるよ。
5話感想
駱為昭は周鴻川を「大胆で自惚れた犯人だ」「自惚れた奴ほど簡単に証拠を残す」とは言ってたけど、承光公館でコレクションしているとはね。何宗一の袋には「ゴミ」と記されていたのに、ちゃんと残すのね。
裴遡は「超絶ナルシストは捜査の展開を追いたがり、犯行現場の物を持ち去るまで大胆」「意義は実情より遥かに勝る」と語る。
陳縁は薬物過剰摂取で死亡、周鴻川の後輩である崔影に密売組織の重要な証拠を渡すも、周鴻川は通報を止めていた。密売組織の金宰洪は捕らえられ、昵懇の仲な崔洪亮署長は辞職。
周鴻川こと周豊年は、貧しく何も持たない移民で長年奮闘、実家は火事で焼失、令嬢を射止めたが殺人犯に変わる。マンデリンなコーヒーの場面はなんだろ。蝉の殻拾い……何にするのかと思いきや食用になるのか。周鴻川は正当防衛を主張。
何宗一くんは母の尿毒症治療のため、下西区で同郷の周鴻川を見かけ10万借りる。誠実に返そうとしたら、周鴻川からはゆすりで麻薬中毒者と勘違いされ殺された、と。
周鴻川が賢すぎて常に先手を打とうとしたゆえに何宗一くんや母を消そうとしていたのか。張東瀾には婿入りを反対されると勝手に思っていた。
周鴻川が自惚れで自意識が強く邪推しすぎて身を滅ぼしたというのがね……。何宗一くん母、自分の病気の治療費のためだったと分かったらツラいよなぁ……。
駱為昭さん、「女房にしか誓いは立てない」なの?
周鴻川がケーキを寄せる場面、フォークでザクッといくのかと思ったら、律儀に食べていたよ。
裴溯のペンもコレクションされていて、「私は誰と同じテーブルで食事する?11.25」と記されていた。裴溯の「彼の所だったか」と気にも掛けずにあっさり言う表情が好き。
駱為昭が煙草の験担ぎで願かけをしているのがイイね。
ラジオの「啓明閲読」では「この短く儚い命が尽きる数日の間、幸せに生きるため自分達の人生を隠蔽しよう。私の罪状はあまりにも明かだ」。
裴溯は蘇誠副総裁に十三区港湾計画について語り、PC越しに杜佳に話しかける。《红与黑》の本を手に「ジュリアンの物語の次は誰の番か」と言う裴溯。中国語の赤色は紅色という表記なのね。
(つづく)
おぉ、面白い~~~。
容疑者はわりと簡単に見付かり、その容疑者との心理的駆け引きや容疑者の性格と動機を楽しむドラマなんですね。そしてそれが世界文学の名著と関連しているという~。
外部リンク
▼張新成は左のお兄ちゃんなのよ
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