第二弾は金子勲である。
陳情令や魔道祖師でいろいろともの申したい人物はいると思うが、私の中では小説日本語版で金光善アレルギーを発症するまでは、金子勲がにっくき人物であった。なんといっても魏無羨にとって取り返しのつかない窮奇道を招いたし。←前回も言っていた。
金子勲と蘭陵金氏な人々
金子勲(金子勋/ jīn zǐ xūn)。こちらも従弟と同じく、日本ではかねこいさおが通称となっており、日本人名で同姓同名の方がおられる唯一の名前かな? そして漢字変換の時にそう打っている。
原作では「背が高くて体格が良く、浅黒い肌で整った顔立ちをしている」十五章「かねてから自分のことを傑物だと自負していた」十八章と描写されていることもあってか、ドラマでは男前であったが、アニメや漫画ではやや莫子淵的な筋肉質なジャイアン・ビジュアルになっていた。
陳情令のキャスティングで感心するのは、五大世家ごとに顔の系統を揃えていると思われる節があるあたりである。その中でもっとも感じるのが、蘭陵金氏は犬顔系だなぁということ。陳情令Blu-ray1巻には五大世家登場人物一覧が付いており、金氏を見ると見事にお目々くりくり犬顔が勢揃いしていているように見え、親族のように思えてくる顔立ちなのだ。犬に詳しい方ならそれぞれ犬種を当てはめてくれそうだと個人的には思っている。
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金子勲についてもの申す
そんなお目々くりくりな陳情令・金子勲であるが、百鳳山で騒ぐわ、お酒を飲まない姑蘇藍氏に強要して盃を投げるわ、温寧に手を出すわで、全くいい所がない。そんな金子勲に毅然ともの申した師姉に拍手喝采である。
温晃も憎たらしいところはあったが典型的な小悪党さがにじんでおり、周回しているとおちょくりたくなるのだが、金子勲は現実社会でも出くわしそうな笠に着る人物だけに、なんだかリアルにうっとうしい。おまけに千瘡百孔呪もキモチワルイ。見せないで~~。
もし登場キャラクターと話ができるイベントがあり(そんなのないけど)、金子勲を引いたら相当ガッカリするだろう。自慢話しかしなさそうだし、他の人の事を聞いても関心がないから知らなさそうだし、なにより話が面白くなさそうなのだ。しかし原作金光善アレルギーとなった今では、さほど憎々しく見えなくなっているのは、嫌な人物というのは流動的なんだな。
陳情令の金子勲への魏無羨の対応
で、なぜわざわざそんな金子勲を取りあげようと思ったかというと、そんないい所なしではある中、21話での清河での射日の集まりで、金子勲が「剣の腕前も見事だと聞いたゆえ、手合わせしたいと思っていたのだが」と魏無羨へ言ったくだりがあった。魏無羨は無視。
そのあとに、剣を佩くようにと個別に言う江澄に対して魏無羨が「知りもしない奴と手合わせなんてご免だ」と言ったことに、「おぉ!」となった。
そこで思ったのが、「あれ?藍忘機とは大して知りもしないのに、雲深不知処の屋根で剣を交わしていたよね」というもの。そう、金子勲への対応から、人には親切で特別な好意がわかりにくい魏無羨の好きの一端をうかがえた気がしたのである。
この頃の魏無羨は剣を持てなかったから相手になりたくなくて適当に言いくるめただけなのかもしれないが、私にはドラマ夷陵老祖時代の鬱々した展開の中で、光のように感じた言葉であり、魏無羨からこの言葉を引き出してくれてありがとう!と思ったものである。それが書きたくて取りあげた次第である。
ちなみにこの台詞はドラマオリジナルである。原作だと金子勲の出番は百鳳山と金鱗台宴席と窮奇道くらいである。アニメでは亡き後も藍忘機に墓を確認されていたようで、羨望編に一部出演したりしていた。
ファンの二次創作では、お酒を強要する金子勲が、酔っぱらった姑蘇藍氏に返り討ちに遭う、というネタは愉快で好きである。
金闡と莫子淵と
金子勲の態度が威張っているのは、金夫人を「伯母/父の兄の妻」と呼んでいたので、金光善の弟の子で、金子軒よりは年上の従兄ということもあるのだろうか。性格なんだろうけど。
蘭陵金氏の続柄といえば、金凌に偉そうにしていた金闡(金阐/ jīn chǎn)は誰の子供なんでしょうね? 原作では「金凌と同世代の子」とされ、「体格は金凌より一回り逞しい」とある。威張り具合が金子勲と似てはいるが、特に父の仇~とは言っていないので、単に蘭陵金氏の家風か。
物語を通してみると、金子勲は莫子淵と似たような役回りだったのかとも考えてみる。どちらも家名を笠に横柄であり、魏無羨/莫玄羽に絡んで貶め続け、自らの性分が招いた厄災(千瘡百孔呪/招陰旗)で因果が巡り命を落とす。
金子勲の俳優・声優
金子勲は姚书豪(姚書豪/ ヤオ・シューハオ)が演じている。1992年4月17日生まれ、178cm、北京出身、上海戯劇学院卒。
『且听凤鸣』原作:神医凰后、『壮志高飞』パイロットものなどに出演、『且听凤鸣』は薛洋、藍景儀、温逐流も出演しているようだ。『鳳舞伝/ 且听凤鸣』は陳情令監督作品で、2022年1月に衛星劇場で放送予定である。
陳情令の声優は王敏纳。
金闡の俳優
金闡は劉胤君(刘胤君/ リウ・インジュン)が演じている。1998年10月10日生まれ、183cm、ハルビン出身、中国传媒大学南广学院表演系。
『下一站大明星』『审讯者』『奈何boss又如何』にも出演。前髪をおろしていると印象が変わってカワイイ感じ。『シンデレラ・ラブ/ 奈何boss又如何』では師姉(宣璐)がヒロイン役~。LaLa TVで放映中。
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