笛の音と琴の調べ

ドラマ「陳情令」・「魔道祖師Q」・小説/アニメ「魔道祖師」の感想や考察を綴っているブログです。「愛なんてただそれだけのこと」「宮廷の諍い女」を更新中。⇩カテゴリー選択はスマホでは左にフリックしてください。

漢詩でザイル 山河令26話感想/李商隠 楽遊原,日が沈む

26話感想

趙敬が蝎王に話す様子に怪しんでいたが、羅浮夢の証言により欺きぶりがわかった回。
26話は感想→漢詩の順にしてみた。

幼い温客行(甄衍)が抱く犬(甄一鍋)を子供たちが奪おうとして、白い服の男性に話しかけられたところで目覚める温客行。張成嶺は朝早くから稽古しており、温客行に鬼谷への憎しみを語る。ツライ立場だ……。葉白衣から文が届く。

十大悪鬼たちが蝎王に群鬼冊のことで抗議している。高笑いする毒菩薩、相変わらずイイキャラしている。しかし短い同盟であった。

平安銀荘平安(赵启航)と周子舒は知り合いで、七爺に代わり中原の56軒を管理しており、大巫のための情報収集をしているとか。葉白衣からの手紙の文面は「バカ野郎」と「冬至に会おう、白菜と豚肉の餃子を作れ」。

七爺大巫は晋王に仕えていたが傷心で去り、大巫は南疆の巫蠱の秘術を会得している。1話で晋王がいないと嘆いていたふたりなのかな? 葉白衣センパイはその御年でパシリにされたとお怒りで、餃子は温客行に作らせる心積もりなのか。どっちが白菜で豚なんですか、センパイ。そして周子舒の視線の先は雲栽なのか。

屍鬼たちと落ち合う温客行。指先の合図だけで従えてしまう谷主さま。今となってはツライ二面性だ。群鬼冊の温客行はなかなか男前に描かれている。

孟婆湯と酔生夢死は相克していた。昆州の忘憂草に7種の毒虫孟婆湯、7種の酔生夢死となり、記憶を取り戻す羅浮夢。蝎王は趙敬への疑いを晴らしたいのか。

顧湘たちも清風剣派の范懐空や莫蔚虚に迎えられ、別宅へと招かれる。言葉に出さないけれど、察した感のある師叔・范懐空の対応。いまや瑠璃甲がある本拠地だもんなぁ。曹蔚寧も両親がいないのか。

温客行が「間もなく日が沈む」と言っており、3話-1の温客行が言った「間もなく夜明けだ」とになっているように思える。いよいよか。

 

蝎王が趙敬のもとに行くと、趙敬は沙幇主たちと鷹爪門崋山派漕幇について話している。蝎王が詰め寄ると、趙敬は語りだす。血書を于丘烽からと言って渡す蝎王。羅浮夢は霓光宮の若宮主で、趙敬は趙家の没落した傍系。
 趙敬は蝎王に言う「わずかに残った善意と、なけなしの愛情をすべてお前に与える」「私の心に残された最後の浄土だ」は、意味深な言葉だな。これが演技ならスゴイというレベルだが。

記憶が戻った羅浮夢さま曰く、趙敬は「陰謀を巡らせて人を陥れたことを何よりも誇りに思う」ですと。超敬の二面性は絶好調。野心のために人を欺くのは権力闘争でよくある話だけれど、陰謀が成功するたびに戦利品を残すというのは、サイコパスが過ぎます。師匠の指輪と容炫の剣もあるはずと。蝎王に渡されているのは瑠璃甲。

趙敬と羅浮夢の二人が語った過去。

  • 婚姻に反対した家族が羅浮夢を幽閉し、羅浮夢が血書を送ってきた。
  • 名家の令嬢、毒婦・李瑶が思いを寄せ、武庫の窃盗で脅迫して、自分を娶れと言う。義兄弟にも関わるので屈辱に耐え婿入り。→李瑶は考えの足りない愚かな娘。脅迫したのは羅浮夢の父親。
  • 婚儀の日に羅浮夢が霓光宮で大虐殺をした。→趙敬が霓光宮に内通者を見つけ、婚儀の日に門弟たちを虐殺する。
  • 錯乱した羅浮夢を捜し出し、神医谷に届けて養生させた。取り押さえた際に体の根幹を傷つけられ、武芸が上達しない体になった。

周子舒は温客行に、冬至前に清水鎮へ名酒と食材を買いに送り出す。
(つづく)

それぞれに危うい難所にかかり、ザイルが必要である。ザイルはロープ、命綱。

26話の趙敬のあざむきがめくらましのようで、うかつに歩くと落ちそうでこの記事タイトルにしてみた。ザイルは赤色なのもポイント。

温客行は周子舒、顧湘には曹蔚寧という命綱がある。私には漢詩という命綱。しかし今の蝎王の先には超敬だ。その綱をどうするのか?蝎王。

 

26話 最後の浄土

1.無常鬼が蝎王に言う

必要とされる場所は他にもあろう
此処不留爺 自有留爺処

陳後主『戯贈沈後

留人不留人,不留人自去。
此处不留人,自有留

留まる人は人を留めず、引き留めない人は自ら去る。
ここで留められない人でも、引き留めてくれる人や所はもちろんある。

2.蝎王が鬼たちに言う

馬が合わねば 袂を分かつ
合則来 不合則去

蘇軾『范増論

“增年已七十,合则留,不合则去。不以此时明去就之分,而欲依项羽以成功名,陋矣。

范増は既に70歳、志が合えば留まり、合わねば去る。この時に去って分かつことをせず、項羽に寄って功名をなそうとしたのは、見苦しいことであった。

成語。楚の参謀・范増について論じたもの。

 

3.周子舒が言う

慎重な七爺が来るということは
七爺向来謀定而動

孫子

謀定而後動,知止而有得。

謀を定めたのちに動く、止まるを知りて得るところがある。

超敬も似たような事をよく口にしていた。

 

4.平安銀荘の柱

笑迎五湖四海逍遥客 喜接三教九流您閑朋

古代の客桟(宿)でみられる对联(対句)のようだ。
四海は東海・南海・西海・北海。
三教儒教道教・仏教。
九流儒家道家陰陽家・法家・名家・墨家縦横家・雑家・農家。

 

5.周子舒が言う

君子は庖厨を遠ざくだ
聖人雲 君子遠庖廚

孟子 梁恵王章句上

君子之于禽兽也,见其生,不忍见其死;闻其声,不忍食其肉。是以君子远庖厨也。

君子は鳥獣にたいして、その生きている姿を見ると、殺される姿を見るに忍びず、その悲しい声を聞くと、とてもその肉を食べる気がおこりません。それだから君子は料理場を遠い所に建てるといいます。
貝塚茂樹老子」2006 中央公論新社

仁の方便を説いている。「魔道祖師Q第8話」の藍曦臣声優の回でも出てきた。

 

6.温客行が空をみあげ沈む夕日を見て

夕陽 限りなく好し ただ これ黄昏に近し
夕陽無限好 隻是近黄昏

晩唐 李商隠『楽遊原

向晚意不适 驱车登古原
夕阳无限好 只是近黄昏

たそがれにつれて、心は結ぼれる。車を走らせ、いにしえの跡がのこる楽遊原に登る。
夕日は限りなく美しいひたぶるに日暮れの迫りゆくなかで
川合康三「新編 中国名詩選 下」2015 岩波文庫

鬱屈した思いの中で見た、沈み行く美しい夕日を詠う。


7.羅浮夢が趙敬について言う

弄んで 捨て去る
始乱之 終棄之

中唐 元稹(げんじん)『鴬鴬伝

“始乱之,终弃之。

成語【始乱終棄】。利用するだけ利用し、用済みになったら棄てること。

 

8.蝎王が羅浮夢たちに言う

過去はたどれぬ
往事不可追

論語 第十八 微子 五

凤兮凤兮,何德之衰!往者不可谏,来者犹可

鳳よ、鳳よ おまえの徳はどうしてだめになったの 過ぎ去ったことをいうのはよして これからどうするか考えてごらん。
貝塚茂樹論語」1973 中央公論新社

楚の狂人接興が孔子に歌ってかけた言葉。乱世の時代、狂人のふりをした陰士が多くおり、孔子は政治への関与をやめるようたしなめられること多数と解説されている。


WOWOW放送:2021年11月4日(木)深夜


 

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