38話メモ&感想
呉昭儀の用いた香料は曼荼羅華の花粉で呼吸困難や麻痺を引き起こす。漢王の特使 枚青は捕らえられ、宣徳帝と英国公 張輔は苦肉の計を立てていた。楊栄もいる。兵法三十六計の第三十四計で、敵を欺くために身内を苦しめて行う謀。
呉昭儀は孫貴妃に「冗談とお香が大好きで頑固でわがまま」は建前で、間者として入内した時から使命を背負っていた。漢王府の奴婢の子で、丹徒に送られ育ち入内。丹徒は江蘇省鎮江市。実の家族は人質に取られている。この届けられた手は誰のなの!?怖すぎるよ。
今まで誰かに布団を掛けてもらったことのない呉昭儀が、孫貴妃の優しさにほだされていたのね。
蘇司膳が捕まる。殷紫萍は宣徳帝から泳がせて様子を見るように言われており、土に埋めたのもワザとか。牢の中にいるから、蘇月華が殷紫萍を巻き込まないかハラハラして見ていた。蘇月華はここで退場か~~~。
胡皇后は誠実で嘘もつけないし、孫貴妃は情にもろすぎる。
宣徳帝が「朕は朝廷にも後宮にも幼き頃よりなじんでいる。つまらぬ小芝居など気にしたころもない。誠にはめる気ならそなたは骨さえ残らぬ」と言うのが、「嗚呼、帝というのはそういう所で生まれ育っているのだな」と改めて実感していた。途中から入内する妃嬪たちとは、鍛えられ方が全く異なっているのね。
宣徳元年8月1日。漢王 朱高煦の謀反により、皇帝 朱瞻基は鄭王 朱瞻埈と襄王 朱瞻墡に北京の留守を命じ楽安へ親征した。第37話に出てきた山東の都指揮 靳栄もここに記されている。
《宣宗章皇帝實錄 卷二十》
宣德元年八月一日
宣德元年八月壬戌朔漢王高煦反高煦(略)
上曰樂安距北京數百里但聞有異謀可朝發而夕禽也高煦至樂安深懷怨望異謀益急造偽鈔造兵器(略)
上曰漢王謀反己彰護衞軍悉四出刼奪百姓驚懼 上曰朝廷待之無不及者理未應遽爾已而軍民上高煦反狀者益眾送駝馬者及楊瑛中道聞之皆卻還 上曰其果然耶而高煦遣親信人枚青等入京約舊功臣為內應青至太師英國公張輔所輔暮夜縶之以聞 上親問之悉得其實而山東都司布政司按察司及所屬府州縣及真定等衞奏皆至御史李濬亦自樂安間道詣京白其事盖高煦與指揮韋達韋弘韋興千戶王玉盛堅李智知州朱恒等數年以來日夜謀議於樂安縣城中造軍器火器籍州民丁壯編為行伍破州縣獄出死囚而厚養之教習戰事召集諸旁近州縣亡賴強壯子弟及逋逃賜銀幣編隊甲給旗號習武事遣人以兵器給各衞所為信盡奪諸郡官民畜馬暗結山東都指揮靳榮等為助旁近有司亦多趍附偽署太師都督尚書侍郎等官皆定擇日舉事期先取濟南城然從率眾犯闕
増える避難民に城門を閉鎖した事にお怒りな皇太后。広平侯 袁容、武安侯 鄭亨(ていこう)、尚書 黄淮と黄福を呼ぶように言う。
《宣宗章皇帝實錄 卷二十》
宣德元年八月八日
○命鄭王瞻埈襄王瞻墡居守勑廣平侯袁容武安侯鄭亨都督張昪山雲尚書黃淮黃福李友直協同贊輔
皇太后が命を下す。「備蓄を被災民の救済に充て、富める者は救済の食糧を納めよ。300石以上で義民とし、500石以上で労役を3年免除、救済に際し都の官吏が民から搾取し職務を蔑ろにすれば、官職の位罪の大小にかかわらず一律家財没収とし救済に充てる」。
南京は守備を固め、淮安は陳瑄(ちんせん)が守っているので、宣徳帝たちは楽安に直行する。梅少淵と囲碁をする宣徳帝。袁琦は今や漢王と通じているのか。
《宣宗章皇帝實錄 卷二十》
宣德元年八月四日
○乙丑 上以漢王叛遣指揮黃讓內官譚順等往淮安同總兵官平江伯陳瑄鎮守勑瑄曰今命指揮黃讓內官譚順內使陳錦助爾鎮守淮安撫綏軍民或有寇盜竊發即與軍衞有司同心戮力固守城池遣人馳奏自餘一切鉅細事務尤在審處毋得一毫擾及軍民
朱瞻埈(せんしゅん)の生母 李太妃は救済のため、私財を差し出した。
心労から来る胃の痛み、朝は血痰が出てだるさと胸の痛みもある。薬は益気養胃から益気滋液に変えるよう言う胡皇后。太医院13科は数年ごとに行う試験で医者の子弟を選ぶ。天下の名医は皆国を巡り幾万の実例から医術を蓄積しており10年は苦労すべきと話す。
漢王の謀反で漕船が北上できず、山西の陸路は遠くて物資が届かない。上林苑の家畜と野菜を穀物に交換して救援にあてようとする孫貴妃。都の米は1石4貫まで値上がりしたと知らせ、米を集めようとしている。
毒を自ら吸い出す胡皇后。医師となっていたらまた別の物語が……と思ってしまうよね。
38話料理メモ
梅殿が落ち着くよう菊花茶を勧めている。
皇太后への太医院の指示は粥のみ。鴨粥、鳩麦粥、燕の巣と鶏粥。
炊き出し所の食事を取り寄せると言う孫貴妃。麦飯。口をつける皇太后。山菜の羹(野菜羹)。
方典膳が食糧難の解決法を進言、壁から守山糧(守山粮)を取り出す。無駄をなくすために孟尚宮が備蓄をしていた。
洗って蒸した大根と餅米を引いて泥状にし煉瓦の形にし、自然乾燥させ硬い石のようになったら積み上げておく。
これは「成化十四年」第37話でも出てきた大根煉瓦!? ”萝卜砖”や”方便萝卜”とも言う。
いよいよ次週は最終回!
外部サイト
▼許凱、呉謹言のインタビュー記事。
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